地域と企業、社会の未来を考える異業種交流型ワーケーション
近年、社会情勢やライフスタイルの変化に伴い、時間と場所にとらわれない働き方への関心が急速に高まっています。 一方、SDGsの観点では、「ESG投資」という言葉に象徴されるように、企業だけではなく、環境課題や社会課題への配慮は地方でも欠かせないものとなりました。
さとゆめでは、創業当初から持続可能な地域の観光地化や保養地化を進めてきましたが、こうした動きをさらに活発化させるため、「LOCAL SDGs ワーケーション」を企画しました。
プログラムは、オンラインセッション2回と、実際に地域を訪問して行う異業種交流型ワーケーション3回を合わせた全5回のプログラムを、約5ヶ月の期間で実施。異業種交流型ワーケーションでは、ゼロカーボンを推進している2地域(妙高市・小海町)を含む計3地域で、2泊3日のワーケーションを行いました。
*参加地域数は選択可
#01 Opening Session
2022年10月、さとゆめトラベル事業部の第一弾企画として、地域と企業、そして社会の未来を考える、5ヶ月間の異業種交流型ワーケーションプログラムを開始しました。その皮切りとして開催されたオープニングセッション。弊社代表の嶋田から、なぜ今、地域でSDGsをテーマにしたワーケーションに取り組むのか、LOCAL SDGs ワーケーションが目指す姿や想いを語りました。
続いて、今回ナビゲーターとしてご参加いただいた、エコアナウンサーの櫻田彩子様より、SDGs基礎講座として、SDGsの知識や全国における様々な事例をご説明いただきました。その中で、SDGsをどのようにジブンゴトにしてアクションを起こしていくか、このプログラムが自分や会社、地域にとってどのような意味を持つのか、問いを立て続けていくことの大切さをお話しいただき、5ヶ月を通して地域とSDGsを考えていく意識を高める時間となりました。
#02 長野県小海町
秋雨前線を経て、気温がグッと落ち込み、青々としていた森も少しずつ秋に変化し始めた季節に長野県小海町のプログラムを開催しました。
日本の長編アニメーション映画「君の名は。」に登場する糸守湖のモデルとされる「松原湖」を地域住民セラピストが案内するセラピーウォークでは、視界一面に広がる豊かな森と湖に、ストレスで閉ざしがちな五感を開き、森散策を楽しんでいただきました。
翌朝は松原湖を眺めながら朝ヨガを体験し、心も身体もストレスフリーなったあと、東京電力リニューアブルパワー様ご協力のもと、普段はなかなか見ることのできない中水力発電所を見学し、東京をはじめとした首都圏に供給される電力の生まれる場所を視察いただきました。
最終日はアドバイザーとしてご参加いただいた平原依文様にSDGs講義を行なっていただき、SDGsやゼロカーボンについて理解を深めた後、プログラムを通じて感じたことや、体験で得た学びをどのように行動に変えていくのかをテーマに、グループワークを行いました。最終日ともなると、参加者のみなさん環境やSDGsに対しての興味・関心が高まり、SDGs講義では質問の積極性に参加者の変化を感じました。参加者同士でのコミュニケーションも広がり、参加者の皆様の表情が明るく良くなった変化を感じることができました。
参加者の声(アンケートより一部抜粋)
・自然を感じながら、気持ちよく仕事ができた。ゆったりとした時間を過ごせてリラックスできた。他企業の方と交流ができ刺激となった
・地域資源を上手く活用している自治体の魅力を感じる事が出来た事と行政職員の努力を直接伺う事が出来よかった
・絶景を眺めながらのヨガ、セラピーウォークなど自然を感じられるコンテンツが特に癒され最高でした
#03 山形県河北町
2022年12月、山形県河北町では農業・酒蔵・畜産業など町内事業者が業種を超えて取り組んでいる「循環型産業」をテーマにしたプログラムが開催されました。
最初のプログラムでは、地産地消イタリアンの第一人者である奥田政行シェフのお店「アル・ケッチァーノコンチェルト」にて、河北町の食材を堪能しサステナブルな農業について考えて頂きました。
町内企業視察では、かほくイタリア野菜の収穫体験や、酒蔵見学、リンゴジュースの手絞り体験など、町内5つの企業の視察を行いました。視察先では各回ごとにナビゲーターの櫻田彩子様から視察企業の取り組みについて講評いただき、参加者の方々だけでなく河北町内企業の方々双方においてSDGsの理解を深めていきました。
最終日にはプログラムを振り返るワークショップを実施。今後、河北町でどのようなSDGsの取り組みが展開できるのか、体験で得た学びを通してグループディスカッションを行いました。参加者の皆さんは初対面でしたが、プログラムを重ねる毎に交流が深まり、グループディスカッションでは参加者の方々の企業間連携が行えないかも検討されるなど、学びだけでなく、異業種交流にも繋がった3日間となりました。
参加者の声(アンケートより一部抜粋)
・河北町の皆さん良い方ばかりで河北町のファンになりました
・地域の方々が河北町大好きという気持ちがとても強いことに驚きと、前向きに事業に取り組まれている姿勢に感心しました
・異業種ゆえのアイデアがたくさん出てきて、非常に刺激を受けました
#04 新潟県妙高市
2023年1月下旬、新潟県妙高市にて「豪雪」をテーマに持続可能なまちづくりを考えるプログラムが開催されました。冬期には多い時で平地でも3mほどの雪が積もる豪雪地域の妙高市。今年は全国各地で雪が降り積もりましたが、妙高市では例年より少雪の中、プログラムがスタートしました。
最初のプログラムであるSDGs講座では、ナビゲーターの櫻田彩子様からSDGsに関する国内外の潮流についてご説明いただき、SDGsに対する理解を深めていきました。続く市職員や妙高高原ビジターセンターの松井館長のお話では、「豪雪」が作り出す環境や、地域にもたらす恩恵・問題等を伺い、豪雪地域・妙高について学びました。
市内企業見学では、雪を利用した商品をつくる「マルニ西脇(株)」と「(有)かんずり」の2社を訪れ、各社の代表から直接自社の取組みや地域活性化への熱い想いをお伺いすることができました。本来であれば、それぞれで雪晒し体験ができる時期ですが、この日は少雪のため難しいとのこと。地球温暖化の影響や持続可能な地域産業のあり方を考えるきっかけにもなりました。
最終日はスノーシュー体験で、いもり池周辺の新雪の上を歩きながら、雪の中の動物の足跡や春を待つ植物など、日常では見ることがない、妙高市ならではの雪の世界を体験しました。
最後に、プログラムを振り返るワークショップを実施。参加者全員で、今後、妙高市がどのようなSDGsの取組みを展開できるかや、これから自分が関わっていきたいことなどを語り合いました。
ナビゲーターによるSDGs講座
参加者の声(アンケートより一部抜粋)
・地域で出会った方々が良い方ばかりで妙高市が好きになりました
・豪雪地域の環境をビジネスに変換していく地域の企業の取り組みが興味深かったです
・地域の方々や参加者の皆さんと、普通の旅では感じられない近い距離感となって、忘れられない体験となった
・自分と地域、社会、世界を思う時間となり、この思いはこの先にも繋がり活きていくと思う
#05 Closing Session
5ヶ月にわたるLOCAL SDGs ワーケーションの総括として、東京・三軒茶屋にある山形県河北町のアンテナショップ「かほくらし」にてクロージングセッションを行いました。当日は、オンラインで全国各地にいる参加者もつながり、同じ地域に参加した仲間との再会や、他地域の参加者との初めての対面での交流を楽しみました。3地域における体験内容や、本プログラムを通じて学んだこと・考えたこと等を、参加地域を横断して共有し、今後に向けて自分がどのようなSDGsアクションを起こしていきたいかを発表していただきました。なかには既にアクションを起こし始めている参加者も。大いに盛り上がったクロージングセッションとなりました。
弊社代表嶋田から修了証をお渡しした後は、かほくらしに集まったメンバーで懇親会を開催。河北町のイタリア野菜やワイン等を味わいながら、企業や地域を超えて交流を深め、LOCAL SDGs ワーケーション2022は閉幕を迎えました。